理科講義ノート

工業的利用の特長

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工業的利用の特長

  1. 工業的利用の特長
    1. 医薬品
    2. バイオリアクター

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工業的利用の特長

酵素や生物を利用して生産する方法は、通常の触媒反応器にくらべ穏和な条件で反応が行え、副生成物が少ない、工程が少ない、収率がよいなどの利点がある。生産ラインに組み込まれた場合バイオリアクターという。

生物の行う反応は、常温・常圧の穏やかな条件で、基質特異的な反応であるため、生物や生物の作り出す酵素を利用すると、簡単に低コストで環境負荷も少なく物質を生産することが出来る。

医薬品

鎮痛剤の民間薬として知られていた柳に含まれるサリチル酸を酢酸と反応させて作ったアセチルサリチル酸(商品名アスピリン)は、最初の化学合成された医薬品である。サリチル酸は、メチルアルコールと反応させることでサリチル酸メチル(商品名サロメチール)を得ることが出来る。

抗生物質

カビや細菌などの微生物には、他の微生物の増殖を抑える物質を出すものがある。それらの物質を抗生物質という。抗生物質の中には病原体に対しても効果を示すものがあり、それらは医薬品として利用される。

最初に発見された抗生物質は化膿の原因菌であるブドウ球菌の増殖を抑えるペニシリンである。ペニシリン以後、ストレプトマイシンなど多くの抗生物質が発見された。

バイオリアクター

微生物や酵素を固定した反応容器の中に原料となる反応物を含んだ原料を通過させると連続的に様々な有用な物質を生産することが出来る。このような反応容器をバイオリアクターという。

液糖などの甘味料、食品添加物、アミノ酸・ビタミン・抗生物質などがこのような装置で作られている。

(グルタミン酸--味の素--の合成)

かっては小麦粉に含まれるグルテンに塩酸を加えて高温で加水分解する方法や石油からの化学合成が試みられたが現在は微生物を用いたによるアミノ酸発酵(バイオリアクター)によるものが主流である。



First Published
2006-04-01
Last Modified
2006-04-08 12:00:00 (JST)
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